世界の最大の米生産地 中国 人口増加や社会構造の変化により、中国の食糧事情は変化している。
食糧が足りなくなる要素が多くなっている。

広大な国土を持つ中国は、世界最大の米生産量を産み出している。
広大な稲作面積に加え、伝統的に二期作が行われ、更に市場原理導入に伴う日本の技術(資本)提供,積極的な農業政策により、大量な生産を可能にしている。
中国の農業生産、需要動向は、日本国内の作物生産、流通対策にも影響をおよぼしている。
昨今、日本は、中国に向けての日本米の輸出について、積極的な姿勢を見せている。
日本米の安全性や嗜好性が中国の農業にはない、日本米ならではの優位な点であるという考え方である。
同時に、中国における農業作物の安全性が世界で疑問視され、中国ブランドの失墜は日本米輸出の積極策を日本国内では賛同されやすい状況になっている。
もともと、米政策のシンボルとしての意味合いがある米輸出であるが、中国側の農産物を安全性の面から輸入禁止にした状況での、米の輸入と輸出のバランスはどのようになるかは、今までがそうであったように、国同士の政治的事情による部分が多い。


世界の4割弱の米生産と2割以上の人口を抱える中国の稲作の作況は、国際的な穀物の需給問題と直結している。中国は、政府食糧備蓄管理機構が国家備蓄を行い、大量の在庫を持っている。

米を主食とするアジアの国々での作況の変化に対応できる在庫量は、国際的な米市場の安定に役立っている。

中国の主食は、米が主であるが、小麦、雑穀を主食とする地域もある。
生産される米の8割は長粒種で、近年は、短粒高品質米の生産にも力を入れている。