日本の米 グローバル化のなかで日本の米はどうあるべきか?

2009.11.14加筆  (2011.6.27読みよいように改行を入れました)

日本では政権が変わり、農業政策の大転換と報道されています。

今回の農業政策については、減反政策の見直しと個別所得補償についての説明をよく耳にします。

減反の見直しは、価格の自由化(低価格化)を進めることにつながり、価格面で国際競争力を高めることになります。

個別補償は、国内農業の保護としての役目があります。

政策の大転換と言われますように国内の米価を下げることを前提に考えられた政策であることが、もっとも新しく大きな変化であるといえます。

先々のことは分かりませんが、大雑把に言えば国内農業の国際競争力の強化をし、貿易自由化後に一方的に安価な穀物を輸入しなくてもよいようにすることで農業保護をはかる方向性のようです。

国内農業が国際競争力を持ち、国際社会との関係の中で貿易自由化を向かえるということは素晴らしいことです。

理想的な農業の姿ともいえます。

国際競争力をつけ、米の輸出国になることが実現したときには、今、日本が抱えている農業問題はほぼ解決していると思います。

逆にいえば、多くの問題を解決していかないと農業保護も国際競争力を高めることもできません。

農業の国際化に向け大きく舵をきったことで、理想とする形になっていくのかもしれません。

他方、現在ある様々な農業問題を置き去りにすることは、日本の食糧危機を招くことになります。

08年春の小麦粉価格高騰で分かるように、国外に頼った食糧政策は成り立たないのです。

世界の食糧事情は需要過多の状況が今後さらに加速していきます。

国内農業の保護と国際競争力の強化。

この両方を同時に行うことの難しさは以前書いたとおりです。

大幅な変化に国内農業?市場、消費者、あるいは社会の仕組みが対応できるのかは分かりません。

いずれにしろ、保護主義のみで国内農業を守れなくなっている以上、ほかに方法はないのかもしれません。

以上2009.10
以下は以前に書いた記述です



農業政策、輸入政策いずれについても日本の農業は、転換期を向かえた。
消費者重視であり、生産者主導であり、生産から消費までの各段階を国主体の管理を止め今後継続可能な農業体制を見据えた政策に転換しようとしている
実効性の面で不安を指摘する向きもあるが、何年もの間、日本農業は多くの問題を解決できずにいた。稲作農家数の多さと兼業比率の高さ。零細性。高齢化が著しいこと。規模拡大が進まないこと。耕作放棄地の増大。米価が国際価格にくらべ格段に高いことなどや、一方で日本稲作における潜在的な問題要素として、米消費の低下(食生活の変化)、食料自給率の低さと低下傾向、農家所得の低下など今までの政策では解決できなかった問題の多くに取り組む方向性を打ち出している。10年の歳月を見れば、少しづつ日本農業はグローバル化に向け動いている。

農業保護は言い換えれば自国の食糧確保の政策でもある。そういう意味で農業保護は産業保護や生産者、消費者保護と違った意味を持つ。農業保護は農業政策と流通(価格安定)、さらに輸入を規制することで保護が可能になる。
WTO(世界貿易機関)の過去のラウンドに限らず関税率、規制数量ともに自由化、もしくは関税の一定水準化の流れが加速している。
さらに輸出入協定の協議は、自由貿易協定(FTA)に移行しており、輸出を含めた考え方を必要としている。
これは将来に渡って日本を含め自国の農業を輸入規制によって保護することの難しさを表していると言える。自国の農業保護は今後、国際競争力、国内市場が農業理解を持てるかどうかにかかってきている。

日本農業の抱える問題は、日本が抱える多くの問題同様に、単に農業政策により解決を求めることは出来ず、教育や社会基盤などによって国民が農業の理解・食糧確保の理解を深めていくことが最も重要である。