度重なる干ばつで農業被害が深刻
オーストラリアの米作りの歴史は浅く、100年足らずであるが、1970年以降の統計では海外市場を開拓し急成長している生産国である。
オーストラリアは、他の国と違い人口に対する生産量の比率が極めて高く、自給政策のための農業保護や輸出のための貿易保護が必要ない。
ガットやOECDの場でたびたび、ケアンズグループの筆頭として、穀物貿易の完全自由化を求めている。
以上のように、オーストラリアの稲作は、自給目的がないため、その生産も輸出先のニーズに見合う米を計画的に生産する。
日本市場の需要増を見越して、ジャポニカ種の開発、生産に力を入れ、オーストラリアは独自に毎年のように新品種「ミリン米」や「オープス米」(こしひかりと中粒種ボーガンを掛け合わせ)を生産、輸出している。
ただし、日本の高級米市場が’94には持ち直したことや、日本の米市場では多用途目的のくず米が不足していることから、中国、アメリカの輸入が伸びたのとは対照的にオーストラリアからの輸入は伸びなかったようである。